カテゴリ:movies( 72 )


2007年 11月 26日

君の涙ドナウに流れ

1956年ハンガリー動乱。ヴィキは革命に心血を注ぐ女子学生。両親を秘密警察に殺されている。カルチは水球のスター選手、間もなく始まるメルボルン五輪で金メダルを取ることが目標。国代表であることは『名誉とある程度の自由と金』を意味するが、言動の全てが監視対象になっている。フルシチョフくたばれ、と言っただけで家族の安全が脅かされかねない。
大学の学生集会でカルチはヴィキと出会う。最初はただのナンパだったが、ヴィキを追いかけるうちに自分を取り巻く世界の本当の姿を知り、水球を捨てヴィキと共に立ち上がることを選ぶカルチ。
市街戦の後、一端はハンガリー市民が勝利したように見えたが、現実は苛酷だ。小国ハンガリーがソ連に刃向うことの意味を彼等は知っていたのだろうか。

ちょっとハリウッド映画ぽい作りになっていて、歴史ドラマというよりはメロドラマ。複数の脚本家の中に『ジョー・エスターハス』の名前があって驚いた。「氷の微笑」「ショーガール」ですよね、エスターハスといえば。ハンガリー生まれで、6才でアメリカへ移住。なるほど。
彼が過去に書いた「ミュージック・ボックス」(秘密警察としてナチスに協力し、同胞を虐待・殺害していたという過去を自分の父が持つことを知り苦悩する女性のおはなし。コスタ・ガブラス監督の力作。大好きな映画の一つだ)の方が歴史色が強く、今回の「君の涙」は青春ドラマぽい。悪いとは言わないけど、やや物足りないかな。
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by atsumi-6FU | 2007-11-26 21:39 | movies
2007年 11月 18日

ヴィーナス Venus

体は思うように動かない、気力もわいてこない、来る仕事は死体の役ばかり。前立腺にしこりがあるといいながら「それが原因で死ぬことは少ないですから」と微笑む医師。それ以外で死ぬ確率も同じくらいだからほっといても大したことにはならんってことか、と自嘲気味に口に出してみる。俳優仲間と毎日カフェでぐだぐだおしゃべり、話題は昔ばなしか病気の話。今日は誰が死んだ、彼が死んだ、死亡記事が何行だったか俺が死んだら何行書いてもらえるか?数行か?手持ち札の交換のように薬の交換、青は眠れるぞ、これを飲んだら重機械の運転は避けろとさ、問題無しだ。
親友イアンのもとに姪の娘がやってくる。イアンは若いきれいなお姉ちゃんに世話してもらえるとバラ色の毎日を期待していたが、反対に地獄の日々到来。田舎では仕事がなく、ふらふらと夢ばかり見てるような子は勝手にしろと追い出されたも同然のジェシーに、『白衣の天使』を期待するのが無理というもの。
が、モーリスはジェシーの若さに惹き付けられる。下品な化粧にファーストフードのだらだら食べ、『modelになりたい』が『yodelをやりたい』に聞こえてしまうような発音でも、彼女は若くて美しい。手足の張りも、胸もお尻も、髪の香りも。触れたい、匂いをかぎたい。

人生の最終コーナーを回っても、モーリスは恋がしたいし、快楽を得たい。そうじゃないと自分が自分でなくなってしまう。たとえ体が言うことをきかなくても、彼女を抱きたい。
お金がないのにブティックへ出掛け、美しいドレスを試着して大喜びのジェシーに感激する。でもお金が無いからレジで赤っ恥、ジェシー激怒。そうなることは最初からわかっているのに、彼女の美しい姿を見たいんだ、モーリス。後で恥をかくことはどうでもよくて、とにかく一瞬でも感激したい。相手を傷つけてもいいから。わがままといえばわがまま、でもそれが彼という人間だからどうしようもない。

コリーヌ・ベイリー・レイ Corinne Bailey Raeの歌が非常によい、はまり過ぎかもしれない。ちょっとずるいくらい。脚本のハニフ・クレイシは赤裸々で面白い、上手いなやっぱり。 モーリスのピーター・オトゥール、イアンのレスリー・フィリップス、モーリスの元妻ヴァネッサ・レッドグレイヴ、ジェシーのジョディ・ウィテカー、皆さん大変素敵で切ない。ジョディ・ウィテカー、今回ははすっぱなお姉ちゃんだったけど、鼻筋が通って古典的な顔立ちをしているので、歴史物も似合いそう。
そしてピーター・オトゥール。枯れてもゴージャスだ。オスカーは彼にあげるべきだった。功労賞や名誉賞的な意味ではなく、自然体で見事な彼を讃えてほしかったなぁ。オスカーはなりきり演技が好きだからしょうがないけど、残念。
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by atsumi-6FU | 2007-11-18 09:59 | movies
2007年 11月 12日

ある種のおとぎばなし。

ブラック・スネーク・モーン Black Snake Moan
ラザラス(サミュエルLジャクソン)は朴訥な農夫。妻を弟に寝取られ沈んでいる。
レイ(クリスティーナ・リッチ、ものすごい体当たり演技)はロニー(ジャスティン・ティンバーレイク、声の甲高さが私好みではないけど立派な俳優になってきました)が出征してから、荒れ放題、男をつかまえてはセックス。だが彼女は好きでそうしているわけではなく、義父に虐待された記憶から逃れるために仕方なしにしているのだった。とはいえそんなことが相手にわかるわけはなく、ある日顔見知りの男の車の中で口論となり、ぼこぼこに殴られ道ばたに捨てられる。
死んだような彼女を見つけたラザラスは家へ連れ帰り、介抱してやった。が、彼女の問題がわかると、一大決心をする。レイの心の中の悪魔が去るまで鎖でつなごう、お前が立ち直るにはそれしかない。神の啓示を受けたかのようなラザラス。気がついたレイは驚き、当然反抗するが、彼の奏でるブルースが彼女の心を開いていくのだった。

いきなり鎖で更正かよっ!と突っ込みたくなる話ではある。ぷぷぷーと吹いてしまったシーンも少なくない。でも夢みたいな話でもある。ロニーが心の病で除隊になって戻ってくるまでのたった1週間の『合宿生活』。ラザラスは何の下心もなくひたすら彼女が治るのを待つ、鎖で繋ぐという暴挙には出たが、心は真摯なのだ。Lazarusの名前はもちろん新約聖書に出てくるラザロから来てるわけで、イエス・キリストの手により甦らされた男、だよね?彼女が甦れば自分の死んだ心も甦る、彼にとっても大切な合宿だった。
ロニーが帰ってきて、最初は2人を誤解しラザラスを撃ち殺そうとするが、彼には出来ない。ラザラスはロニーの苦しみをも理解し、なんとか2人を助けたいと尽力する。ラストは9割の不安と1割の希望。おとぎばなしかもしれないが、もしかしたら2人は幸せになれるかもしれない。少なくともラザラスはそう信じているし、レイには彼との1週間と、今も彼と繋がっている見えない鎖の力があるから、きっと困難を乗り越えていける。やっぱり夢かな。
監督は「ハッスル&フロー」のCraig Brewer、面白いテイストの人です。サミュエルLジャクソン自らの熱演を含めたブルース音楽も力強い。面白い映画でした。
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by atsumi-6FU | 2007-11-12 21:50 | movies
2007年 10月 17日

キングダム

サウジアラビアのリヤドでアメリカ人を狙った自爆テロが起こる。現地の人間も合わせて100人以上が死亡する大惨事、その中にはFBIエージェントが含まれていた。
サウジとの国交が悪化するのを恐れて、政府はFBIが現地へ飛ぶのを禁ずる。しかし仲間のためにも何としてでもリヤドへ行かなくてはならない。フルーリー(ジェイミー・フォックス)は政治的な裏の手を使い、3人の仲間といっしょにサウジ入りに成功。即時捜査にとりかかろうとするが、政治的な壁機構の問題があり、行きたい場所に行けずやりたい捜査ができない、証拠の収集もままならない。このままでは観光もどきの5日間で帰国しなくてはならない。
一方自爆テログループはFBIエージェントたちを狙い、次の計画を着々と進めていた。
フルーリーたちはこの苦境を脱し、活路を見いだせるのか?

ドラマ組が続々登場で笑ってしまった。監督がピーター・バーグ@シカゴ・ホープ、もう俳優よりも監督業の方がメインかもね。ジェイミー・フォックスの同僚FBIエージェントとしてジェニファー・ガーナー@エイリアスとジェイソン・ベイトマン@Arrested Development。冒頭爆死しちゃうFBIエージェント、フランシスがカイル・チャンドラー、GAに続いてまたしても彼は爆死なんですなぁ、合掌。FBI長官がリチャード・ジェンキンス@6FU。在リヤドの米大使は「アントラージュ」のジェレミー・ピヴェン、始めの方にちょろっと出るワシントンポスト紙の記者がフランシス・フィッシャー@「弁護士ジャック・ターナー」。
音楽の入れ方がまるで「Friday Night Lights」なのも苦笑。終盤の銃撃シーンはさすがに上手く撮ってある。ピーター・バーグはああいうのが得意なのね多分。
ま、正直なところ、必見映画とは思いません。私は勝手に妄想世界を走らせてたので楽しめましたが。シリアスな場面なのに「Arrested〜」の音楽が頭の中に流れちゃうし、シドがアラビア語喋るシーンには「何カ国語でもできるもんねー」と勝手に納得したり。おお、忘れてはいけない、大好きなクリス・クーパーも出ていたのだった。彼が出てくると画面が締まる、ホントに存在感のあるいい役者だ。
110分、招待券とお暇がありましたらどうぞ。

余談:「キングダム」の脚本担当のマシュー・マイケル・カーナハンってばリメイク版「State of Play」の脚本も担当するんですね。で、久しぶりにリメイク版のキャストを見てみたら、結構決まっていた。キャルがブラピってのは前から決まってたけど(ぜーーーーーーったいシムさんの方がいいに決まってる)、スティーブン・コリンズがエドワート・ノートンかい。どんどん見たくなくなるな。コリンズ妻がロビン・ライト・ぺン、役名無しでジェイソン・ベイトマンの名前も。誰の役だぁ?新聞社サイドですかね。なんだか、ヒットして欲しくないような気分です。
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by atsumi-6FU | 2007-10-17 20:12 | movies
2007年 10月 04日

近くて遠い国。

「長江哀歌」
山西省から妻を探しに奉節の町へ出てきたサンミン。16年前に別れたきりの妻ヤオメイと娘、どうしても娘の顔が見たい。ヤオメイが残したメモの住所に行ってみると、そこは既にダム建設のために水没していた。彼女は船の仕事で下流に行っている、という情報を信じてダム建設に伴う建物の取り壊しの仕事をしながら、妻が戻るのを待つ。
山西省から夫を探しに出てきたシェン・ホン。もう2年の間連絡が途絶えたまま。夫の友人トンミンの協力のおかげで夫が働く事務所や彼の状況はわかったが、本人がつかまらない。夫にはどうやら付き合っている女性もいる様子。翌日夫に会えたが、連絡しなかったことを悪びれる風もなく、何しに来たんだ何かあったのかと冷たい言葉しか出てこない。「好きな人ができたから、別れましょう」とシェン・ホンが言うと、夫はほっとした様子。シェン・ホンは1人上海行きの船に乗る。
李白の漢詩の描く水墨画のような風景の面影は今でも残っているけれど、猛烈な勢いで国の全てが変わっていく中国。雲がたなびく山のふもとには、高層マンション群がにょきにょきと生えて、どんどん増殖している。変化をすんなり受け止めていっしょに変われる人はいいけれど、そうはできない人もいる。
少年が流行唄を朗々と歌う。男と女のことを歌った内容と彼の幼さがとてもアンバランスで、せつない。
日々食べていくので精いっぱいの労働者たちだが、携帯電話は必需品。命をつなぐ道具なのだ。冒頭サンミンが乗っている船の上でも、幾人もの乗客が携帯電話の画面を必死に見入っていた。幻想か現実か、京劇のいでたちをした3人が食堂で卓を囲むシーンでも、彼等が手にしていたのは携帯のゲーム機。
飛行機に3時間も乗れば着く隣の国なのに、ものすごく遠く感じられてしまう。私は何もわかってないなぁ。
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by atsumi-6FU | 2007-10-04 21:09 | movies
2007年 09月 25日

最近収穫ありません。

8月後半からちょこちょこ出掛けてはいるのですが…。
「ヒロシマナガサキ」正視するのが厳しい映像の連続だが、見るべきドキュメンタリー。こういう作品を日本人は作らず日系アメリカ人が作る、いや彼等にしか作れないのだろうか。繰り返し放送しているHBOは本当に偉い。ところで私の隣に3、4才の幼女を連れた教育ママ風の客が座っていたが、情操教育のつもりなら考え直したほうがいいよ!ま、とにかく見てよかったと思う映画。
でも「イタリア的、恋愛マニュアル」も「オフサイドガールズ」も「インランドエンパイア」(デヴィッド・リンチ的映像世界が好きな人には最適な映画だが、今回は謎解きが無いので、私みたいな普通の人間にとってはなかなかキツい180分。おまけに終盤某日本人女優の長台詞シーンがある!。外国人にとっては、可愛いお人形みたいなアジア人女性が意味不明な話をたどたどしくしゃべるのがシュールで面白いのかもしれないけど、けど、けど)も「ショートバス」も、私にとってはなんだかイマイチ…なんである。
10月の鑑賞予定は「パンズラビリンス」があるくらい。wowowの『ハリウッド・エクスプレス』を見ていても、ぴんっと響いてくる映画は滅多にない。見たいヨーロッパ映画(ロメールの新作が2本たまってるかなぁ)は入ってこない。
今一番見たいのは「Atonement」。マキューアンの原作は見てから読むことにしてとってあります。いつ日本に入ってくるんだい(涙)
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by atsumi-6FU | 2007-09-25 10:00 | movies
2007年 09月 09日

「シッコ」マイケル・ムーア監督

アメリカのHMOの実態を描くドキュメンタリー。低所得者層と高齢者のためのメディケアではなくて、普通の勤労者が入るHMOが、加入時の選別に始まり、医療費の支払いを回避するためあの手この手を使って被保険者の斬り捨てをしている実情がよくわかる。どひゃー!いくらなんでもそれはないでしょう?!な実態。毎月の保険料はいったいいくらなのだろう?
一方英仏加の住民はこんなに手厚い保護を受けているんだよ、という描写の部分はちょっと単純化しすぎ。仏加はよく知らないけど、英の医療事情はー労働問題も含めてーそんなに単純なバラ色ではないから。
私は勤務先の健康保険だけで、民間の医療保険には入っていない。春の花粉症と年4回の歯科検診以外にはほとんど医者にかからないし(いまのところは、だけど)、以前加入していた某社の医療保険について、ちょっとイヤな思いをしたので解約してしまった(解約返戻金がけっこう戻ってきて嬉しかったが)。日本の健康保険制度はアメリカよりはマシだけど、この先自己負担分がどんどん増えそうだし、医療を取り巻く事情は非常に厳しい。なので、手放しに「まあアメリカって大変なのね、日本でよかったわ」なんてのんきに見られる映画ではなかったです。
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by atsumi-6FU | 2007-09-09 17:20 | movies
2007年 08月 07日

「リトル・チルドレン」

稼ぎのいい夫、豪華な家、かわいい一人娘と、全て揃ったように見えるサラ(ケイト・ウィンスレット)。文学修士号を持ち、詩や小説の言葉の中に閉じこもり、別の世界を夢見ている。娘にはついきつくあたってしまう。言葉じりが厳しい。
PBSでドキュメンタリーを製作するリベラルな妻キャシ−(ジェニファー・コネリー)とかわいい一人息子を持つブラッド(パトリック・ウィルソン)。2度司法試験に落ち、今年3度目の正直にかけている。が、余り乗り気ではない。多忙な妻の代わりに主夫として家事をきりもり、携帯電話を持ちたいと言っても妻には、また今度ね、と却下されてしまう。
二人が出会ったのは子連れ主婦が集う公園。時間割通りの日々に従順な主婦たちは、ハンサムなブラッドを見てときめくが、夢想の世界の中にとどめている。サラはふと魔が差したように、ブラッドとキスを交わしてしまう。頭の中の『別の世界』が本当にあるかもしれない、とサラはのめりこんでいく。

アメリカ文学や映画お得意の『サバービアの憂鬱』。デス妻やWeedsでも活写されている郊外の街での密なようで空疎な人間関係、満ち足りない生活、自分の人生選択は間違っていたのではないかという思いが常につきまとう(←と、真面目に書いてみたけど、実際にはこどもっぽい登場人物たちの行いに苦笑させられることが多く、そう深刻な話ではないのだ)。
大勢の母親と子供、ティーネイジャーたちでにぎわう公営プールのプールサイドで、サラとブラッドは毎日疑似家族を演じている。自分たち以外は全て書割りみたいなもので、そこにいる限りは安全だった。でもやっぱり続かない、サラは我慢できずにもう一歩踏み込んでしまう。
サラが欲しかったのは何か。知的なつながりであるなら、ブラッドよりもキャシーと親しくなる方が得られたはず。「罪と罰」「ボヴァリー夫人」を読む読書会に、もっと真剣に出ればいい、でもそれもどうでもいい。
平たい話、サラは狂ったようにセックスしたかっただけなんだと思う。高収入以外に魅力の無い夫は、ネットのエロ・サイトのお姉ちゃんにハマってしまい、絶対偽物の下着をネット通販で手に入れ、自室にこもってオナニー。その姿は情けなくて阿呆らしくて笑うしかない。あんな姿を見たら、誰だって二度と夫と寝たいとは思わない。当然サラの我慢の糸は切れてしまうわけで。
ブラッドは大人になりきれていない。司法試験がんばらなきゃなぁ、携帯欲しいなぁ、スケボーやってみたいなぁ、やらなきゃならないことはわかってるけど、別のこともしたいんだよね、と肝がすわらない。そしてサラの魔力じみた熱さにやられてしまう。
大胆なセックス・シーン、偉いなあ(?)。ケイト・ウィンスレットのレベルだったら、何もあそこまで脱がなくてもいいような気がするのだが。プロなんだからやるときゃやるのよ、でしょうか。パトリック・ウィルソンのカラダもなかなかのものでした、何か違う方向に行ってますね私(汗)。
で、やっぱりジャッキー・アール・ヘイリー演じるロニー。性犯罪者という烙印はどうしても消す事ができず、町中からモンスター扱いされる。母親だけが、お前はいい子なんだから、と丸ごと愛してくれてはいるが、老いた母と暮らせる時間は余り残されていない。
彼はちゃんと更正してるんだという話にならないところが、現実的。彼自身も自分が変われないことをよくわかっているから、最後究極の裁きを自ら下してしまう。
話は、誰も何も解決しないまま終わる。『こどもっぽい大人』から『一応の大人』へと一段階成長はするけど、個々の抱えている問題はそのまま。でも皆忘れたふりをして、何もなかったかのように元の生活に戻るんだろうな。それが大人のしきたりだから。
原作者トム・ペロッタは、「Election」(「ハイスクール白書ー優等生ギャルに気をつけろ!」)の原作者でもあるのね。私はこういうテイストの小説結構好きなので、原作も読んでみたい。『プール』が大事な場所というのもいかにも、という感じがする(バート・ランカスターが主演した「泳ぐ人」を思い出す)。アメリカの郊外世界は独特で面白いです。
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by atsumi-6FU | 2007-08-07 21:29 | movies
2007年 07月 29日

きょうだい多いのね。

IMDbのトップページに『今日お誕生日のスターさん』のコーナーがありますが、7月28日(私も28日)をつらつら見てたら、『Alexis Arquette』さんのお名前発見。リッチモンド、デイビッド、パトリシア、ロザンヌ・アーケットさんの弟、だそうで。お写真を見ると、似てない…。
それにしても28日は27日に比べると寂しい。27日にはNip/Tuckのクリスチャンや、ジョナサン・リース・マイヤーズがいるのに、28日はトップがエリザベス・バークレー、がっくし(>_<)。めくっていってもレオノール・ワトリング(アルモドバルの「Talk to her」とか)が目立つくらい。まあどうでもいいことなんだけどさ。
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by atsumi-6FU | 2007-07-29 00:32 | movies
2007年 07月 24日

「アンダーグラウンド・オーケストラ」

寒い映画館でもう1本見ました。1997年製作のドキュメンタリーです。パリのメトロや街中で演奏している音楽家さんたちを描いた優れものでした。ベネズエラ出身のハープのおじさん、ルーマニアから来たバイオリンのお兄さん、同じくルーマニアから来たチェリスト、アルジェリア系の歌手、アルゼンチンから亡命してきたピアニスト等、皆それぞれの背景を抱えてパリにやってきた。音楽で生きていることの喜びの笑顔の裏に、見え隠れする苦悩。
どの演奏も味わい深くて良かったのですが、圧巻は冒頭近くの「Try a little tenderness」。もう圧巻としか言いようが無い、凄いっっ!ここで音を付けられないのが哀しい。もしその場にいて生で聞けたら、最低でも2000円は出すぞ。
父チェロ息子バイオリンのデュエットも良かった。ついテンポを上げ気味の息子を父がいさめる。父はもっと息子とデュエット演奏したいけど、息子はあまり付き合ってくれない。息子のコメントが面白かったです、「ベートーベンはロックでいうならジミ・ヘンだ。シューベルトはジム・モリスン。バッハ?究極だね、AC/DCみたいな」バッハが究極の音楽というのは全く同感しますが、AC/DCってのはなぁ…インタビュアーも父もAC/DCを知らないから、「何それ?薬みたいな名前だな」。父はルーマニア革命で失望し、子供たちのためにパリへ亡命したのですが、未だにここが自分の場所だという実感が持てない。もし可能ならルーマニアに帰りたい、と思っている。でも息子たちにとっては、パリが自分の家。屈託なく笑う息子の笑顔と、遠慮がちな父の笑顔が対照的です。ここで手に入ったのは『ある種の自由』であって『自由』ではない。
日中上映していた「ルート181」というパレスチナ問題のドキュメンタリーも見たかったのですが、270分という長さにひるんで断念。
それにしても映画館、寒過ぎる。ハラが冷えます(>_<)
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by atsumi-6FU | 2007-07-24 00:35 | movies