備忘録

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2007年 11月 18日

ヴィーナス Venus

体は思うように動かない、気力もわいてこない、来る仕事は死体の役ばかり。前立腺にしこりがあるといいながら「それが原因で死ぬことは少ないですから」と微笑む医師。それ以外で死ぬ確率も同じくらいだからほっといても大したことにはならんってことか、と自嘲気味に口に出してみる。俳優仲間と毎日カフェでぐだぐだおしゃべり、話題は昔ばなしか病気の話。今日は誰が死んだ、彼が死んだ、死亡記事が何行だったか俺が死んだら何行書いてもらえるか?数行か?手持ち札の交換のように薬の交換、青は眠れるぞ、これを飲んだら重機械の運転は避けろとさ、問題無しだ。
親友イアンのもとに姪の娘がやってくる。イアンは若いきれいなお姉ちゃんに世話してもらえるとバラ色の毎日を期待していたが、反対に地獄の日々到来。田舎では仕事がなく、ふらふらと夢ばかり見てるような子は勝手にしろと追い出されたも同然のジェシーに、『白衣の天使』を期待するのが無理というもの。
が、モーリスはジェシーの若さに惹き付けられる。下品な化粧にファーストフードのだらだら食べ、『modelになりたい』が『yodelをやりたい』に聞こえてしまうような発音でも、彼女は若くて美しい。手足の張りも、胸もお尻も、髪の香りも。触れたい、匂いをかぎたい。

人生の最終コーナーを回っても、モーリスは恋がしたいし、快楽を得たい。そうじゃないと自分が自分でなくなってしまう。たとえ体が言うことをきかなくても、彼女を抱きたい。
お金がないのにブティックへ出掛け、美しいドレスを試着して大喜びのジェシーに感激する。でもお金が無いからレジで赤っ恥、ジェシー激怒。そうなることは最初からわかっているのに、彼女の美しい姿を見たいんだ、モーリス。後で恥をかくことはどうでもよくて、とにかく一瞬でも感激したい。相手を傷つけてもいいから。わがままといえばわがまま、でもそれが彼という人間だからどうしようもない。

コリーヌ・ベイリー・レイ Corinne Bailey Raeの歌が非常によい、はまり過ぎかもしれない。ちょっとずるいくらい。脚本のハニフ・クレイシは赤裸々で面白い、上手いなやっぱり。 モーリスのピーター・オトゥール、イアンのレスリー・フィリップス、モーリスの元妻ヴァネッサ・レッドグレイヴ、ジェシーのジョディ・ウィテカー、皆さん大変素敵で切ない。ジョディ・ウィテカー、今回ははすっぱなお姉ちゃんだったけど、鼻筋が通って古典的な顔立ちをしているので、歴史物も似合いそう。
そしてピーター・オトゥール。枯れてもゴージャスだ。オスカーは彼にあげるべきだった。功労賞や名誉賞的な意味ではなく、自然体で見事な彼を讃えてほしかったなぁ。オスカーはなりきり演技が好きだからしょうがないけど、残念。
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by atsumi-6FU | 2007-11-18 09:59 | movies


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