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備忘録

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2007年 01月 09日

「明日へのチケット」

1. もしあのとき、思いを口にしていたら(エルマンノ・オルミ)
製薬会社顧問の教授の夢物語。親身になって世話をやいてくれた、会社の女性が忘れられない。列車に乗った後、ああしていたら、こう言っていたら、と夢想にふける。楽しく妖しいひととき。

2. 俺は何をしているんだ?(アッバス・キアロスタミ)
太った中年女性と、荷物持ちのような若者の一見不思議なペア。若者は兵役の義務か何かで女性の世話をしているらしい。わがまま傲慢身勝手な彼女に、いつまで彼は耐えているのか。

3. 家族の絆と一枚のチケット(ケン・ローチ)
セルティックのユニフォームを着た、楽しそうな3人の若者。彼等はチャンピオンズ・リーグのローマvsセルティック戦を見るために、スコットランドからローマまで列車で旅しているのであった。食堂車でベッカム(マンチェスターUnited時代の7番)を背中にしたアルバニアの少年と出会った後、一人の乗車チケットが無くなる。落としたのか?あの少年に盗られたのか?少年の家族に詰め寄る若者たち。このままでは鉄道警察に引き渡されて、ローマ戦が見られなくなってしまう!

3人の監督のオムニバス映画です。チケットをめぐる三者三様の物語、私はやっぱり3番目が一番楽しかった!彼等がヘンリク・ラーションのチャントを歌い出すシーンには、吹き出しそうになるのを必死でこらえてました。アルバニアの少年に「お前英語うまいな」と言うのも可笑しい。
若者たちの英語も相当のもので、ばりばりになまってます。私はあの独特の抑揚やリズム感が結構好きです、何言ってるのかさっぱりわからないけど。
最後に鉄道警察に追われる若者たちを助けるのが、ローマ・サポというのも泣かせますね〜敵味方同士とはいえ、サッカーを愛する身として、相手が官憲に追われていたら助けるのが男だぜ、みたいな。
三部通して登場する車掌が効いてます。粋な計らいをする一方、無賃乗車は絶対見逃さないという厳しい態度は維持。でもユーモラスな風貌で、優しく思いやりのある昔風の親切な車掌さん。
暖かいまなざしに満ちた優しい映画です。

by atsumi-6FU | 2007-01-09 21:10 | movies


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